「ガレージに住む」は、どこまでできるのか|面積にかかる二つの上限

「ガレージに住む」という言葉で調べている方がいます。
文字どおりガレージの中で生活することを指している場合もありますが、多くは「ガレージと一体になった住まいを、どこまで作れるのか」を知りたいのだと思います。
答えを先に書くと、面積の上限が二つあり、それぞれ基準が違います。
ひとつは容積率の側、もうひとつは税制の側です。
どちらも建てる前にしか調整できません。
「ガレージに住む」には、二つの意味がある
ひとつは、車庫として建てられた建物を住居として使うこと。
もうひとつは、住宅の中にガレージを組み込むことです。
インナーガレージ、ビルトインガレージと呼ばれる形になります。
前者は、その建物が住宅としての基準を満たしているかが問われます。
採光や換気など、居室には満たすべき基準があります。
車庫として計画された空間は、その基準を前提に作られていません。
あとから住居として使うには、基準を満たすための改修と、手続きの確認が必要になります。
ここは専門家に確認が必要です。
後者は、最初から住宅として計画します。
AUMENTOが扱っているのはこちらです。
以下は後者の話として書きます。
どちらを思い描いていたとしても、根にある希望はおそらく同じです。
車を敷地の隅ではなく、暮らしの中に置きたい。
夜に灯りを落としたガレージを、居室から見ていたい。
作業の途中で手を止めても、翌日そのまま続けられる場所がほしい。
その希望をどこまで形にできるかは、好みではなく面積で決まります。
だから上限の話から始めます。
容積率では、車庫は延べ面積の5分の1まで除かれる
建築基準法施行令第2条第1項第4号は、容積率の計算に使う延べ面積について、次の部分の床面積を算入しないと定めています。
「自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分」
ただし無制限ではありません。
同じ条の第3項第1号で、この自動車車庫等部分の限度は建物の床面積の合計の5分の1と定められています。
つまり、建物全体の床面積の5分の1までは、ガレージを容積率の計算から外せます。
それを超えた分は、容積率に算入されます。
ここが「ガレージを広げると、家のほうが小さくなる」と言われる理由です。
土地の容積率が決まっている以上、5分の1を超えたガレージの面積は、居室に使えたはずの面積を消費します。
税制では、居住部分が床面積の2分の1以上
もうひとつの上限は、税の側にあります。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、床面積の2分の1以上を自己の居住の用に供していることを条件のひとつにしています。
ここでいう床面積は、登記事項証明書に表示されている床面積で判断します(国税庁タックスアンサー No.1211-1)。
インナーガレージは建物の一部なので、登記上の床面積に含まれます。
ガレージが床面積の半分を超えると、この条件から外れます。
容積率の5分の1と、税制の2分の1。
目的も基準も違う二つの上限が、同じ建物に同時にかかります。
どちらか一方を満たせばよい、という関係ではありません。
なお、控除が使えるかどうかは個別の事情で変わります。
実際の判断は税務署、または税理士にご確認ください。
Monopostoに当てはめると
AUMENTOのMonopostoは、延床63.34平方メートル、そのうちガレージが28平方メートルです。
ガレージの比率はおよそ44%。
税制の「2分の1以上を居住用」は満たします。
居住部分はおよそ56%です。
容積率の側は、5分の1にあたるおよそ12.7平方メートルまでが不算入です。
28平方メートルのうち、残るおよそ15.3平方メートルは容積率に算入されます。
つまり、ガレージの面積を容積率の外へ全部逃がせるわけではありません。
5分の1を超える部分は、土地の容積率の中で居室と面積を取り合います。
「ガレージに住む」という言葉が想像させる比率を実現するには、土地の容積率に余裕が必要になる、ということです。
上限より先に決まるもの
二つの上限は、どの土地でも同じです。
土地ごとに変わるのは、そもそもの容積率と建蔽率のほうです。
用途地域によって容積率の上限は大きく変わります。
そのうえで、前面道路の幅員による制限が重なります。
建築基準法第52条第2項は、前面道路の幅員が12メートル未満の場合、容積率の上限を「前面道路の幅員(メートル)×定められた数値」以下としています。
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域では、この数値は10分の4です。
前面道路が4メートルの第一種低層住居専用地域であれば、4に0.4を掛けて160%。
都市計画で200%が指定されていても、実際に使えるのは160%までということになります。
同じ延床を計画しても、成立する土地と成立しない土地があるのは、この重なりのためです。
敷地面積が同じでも、前面道路が1メートル違えば結論が変わります。
だから順序は、ガレージの広さを先に決めるのではなく、土地の条件を確かめてから配分を決める、になります。
AUMENTOは間取りを固定しているため、この確認を土地探しの段階で済ませられます。
必要な延床と建築面積が決まっているので、候補地の用途地域と前面道路を見れば、建てられるかどうかが先に分かります。
土地を押さえてから「この形では建たない」と分かるのが、いちばん大きな損失になります。
順序を逆にしないための固定でもあります。
面積の配分は、暮らし方の選択でもある
ここまでは制度の話ですが、配分そのものは制度が決めるものではありません。
上限の中でガレージにどれだけ寄せるかは、何を暮らしの中心に置くかの選択です。
居室を増やせば、使わない部屋にも断熱と空調と掃除の手間がかかります。
ガレージに寄せれば、その面積は愛車と過ごす時間になります。
AUMENTOが1〜2人暮らし専用にしているのは、この配分を成立させるためです。
住む人数を先に絞れば、上限の中でもガレージに面積を回せます。
3人以上で暮らす前提のまま同じ比率を取ろうとすると、どちらの上限にも先に当たります。
「ガレージに住む」は、制度の上では成立しません。
成立するのは、ガレージに面積を寄せた住宅です。
言葉の違いに見えますが、決め方はここで分かれます。
ガレージの寸法そのもの、つまり幅・奥行き・天井高の決め方は別の記事に整理しています。
間取りを1〜2人に絞った理由も、あわせてご覧ください。
AUMENTOは、愛知県を中心に静岡県西部から中部にかけて、1〜2人暮らし専用のガレージハウスを規格住宅として提供しています。
土地の条件から先に検討を進められますので、ご相談はお問い合わせフォームからお受けしています。
※掲載画像は完成予想図です。実際のものとは異なる場合があります。